「言語化」の能力は目標達成やコミュニケーションの際に重要です。「言葉にできるは武器になる」のタイトルに惹かれこの一冊を手にしました。本書の内容をいかに要約します。
私は言語化能力を高める=言葉に関するスキルを高めることとだと考えていましたが、自分の気持ちと向き合い、「内なる言葉に目を向ける」必要があると学ぶことができました。
自分の気持ちを言葉にするのが苦手、
人の感情に響くような伝え方ができるようになりたい。
そんな悩みを抱える人におすすめです。
内容
第1章 「内なる言葉」と向き合う
・言葉で評価される時代
・言葉には2つの種類がある「外に向かう言葉」と「内なる言葉」
・「内なる言葉」と向き合う
・「人を動かす」から「人が動く」へ
・最後は「言葉にできる」が武器になる
第2章 正しく考えを深める「思考サイクル」
・内なる言葉の解像度を上げる
・「思考サイクル」で正しく考えを深める
・「T字型思考法」で考えを進める
・自分との会議時間を確保する
第3章 プロが行う「言葉にするプロセス」
・思いをさらけ出す2つの戦略
・戦略1:日本語の「型」を知る
・戦略2:言葉を生み出す「心構え」を持つ
言葉の伝わり方
言葉には伝わり方のレベルがあります。
そもそも話が伝わっていない、内容が誤って伝わている状態。実生活において「言った、聞いていない」「聞いた、言っていない」問題がこれにあたる。
伝えた内容が過不足なく伝わっている状態。しかし、理解以上の解釈が行われているわけではないため「頭ではわかっているが、心が付いていかない」という状況にも陥りやすい。
相手が話したことを、頭で理解しただけでなく、内容が原落ちしている状態。理解に比べて自分事としてとらえられている。「なるほど」「確かに」の段階。
見聞きした内容を理解したうえで、心が動かされ、自らの解釈が加わっている状態。相手の意見や感情を「その通りだ」と感じ、協力を申し出るといった行動を落としたくなる。
理解まで至れば合格点ではありますが、納得・共感・共鳴がコミュニケーションの醍醐味といえます。だからこそ難しいのですが。ではどうすればこのレベルまでコミュニケーションを手高めることができるのでしょうか。
内なる言葉と向き合う。意見を育てる。
言葉を磨きたいと考えているのなら、言葉から手を付けるのではなくまずは意見を育てる必要があります。相手が聞きたいと思うことは、意見であり言葉そのものではないためです。意見を育てるとはどういうことなのでしょうか。
内なる言葉で意見を育てる
物事を考えたり、感じたりするときに無意識のうちに頭の中で発している言葉。それが内なる言葉です。自分と対話するということは内なる言葉を用いて、考えを広めたり、深めたりすることと同義である。内なる言葉の語彙力が増えるほど幅を広げたり奥行きを持たせることができます。
意見が変換された「外に向かう言葉」
外に向かう言葉とは、一般的に言葉と呼ばれているものです。自分の意見や思いに言葉という形を与えたもので、主他者とのコミュニケーションをとる役割を担っており、相手との接点、意思疎通を行う道具とも言えます。
自分の本当の気持ちに丁寧に向き合うことこそが、外に向かう言葉に変化をもたらすだけでなく、今後の人生を変えることになります。
すべてを理解していなければ、言葉にできない
言葉にすることは簡単に見えて実に難しいです。自分の身の回りで起きたことを端的に話そうと思っていたのにだらだらと話してしまった経験はありませんか?このような状況はこれから話そうとしている全体像を自分自身が完全に理解してないから起きてしまいます。
では自分の意見を述べる際に、深く知っていなければならないものとは何でしょうか。反れば自分自身の気持ちであり、意見にほかなりません。「内なる言葉」を丁寧に拾い続けることが重要です。無意識ではなく、意識的に「内なる言葉」に意識を向けるのです。
そうすることで、自分から生まれる言葉が相手の胸に響き、納得や共感を得られるようになります。「この人はきちんと考えているな」「自分の言葉で話しているな」と感じてもらうことにつながります。
プロが行う「言葉にするプロセス」
たとえる <比喩・擬人>
わかりやすい言葉でイメージを共有する
たとえ は、自分の言いたいことを自分のイメージだけでなく他社にも共有できるイメージにする特徴があります。自分の思いを例えるには、自分の周りにある言葉を収集することが重要です。自分の周りにある言葉を用いることで、自分の言いたいことを正確に、機転を利かせながら伝えることができます。
言いきる <断定>
曇りない言葉で、明確な未来を打ち出す
通常の会話では「と思います」「のような気がします」といったように言葉を濁すことがあります。これは一種のリスク分散であり逃げ場を作っています。だからこそ、断定できる人は強いのです。断定という形には明確な未来を打ち出す強さとともに、言葉を発する人の本気度が表れています。文末を変えるだけのシンプルな方法ですが、自分の気持ちを見つめなおす際に有効なためぜひ試していただきたい方法です。
たった1人に伝わればいい <ターゲティング>
みんなに伝えようとすると、誰にも伝わらない
大勢の人に何かを伝えようとすると、相手の顔が見えなくなってしまうため、話す中身もぼんやりしたものになってしまいます。「みんなに伝えようとしても、誰にも伝わらない」そのことを心にとめて、相手一人ひとりに向けて、言葉を紡ぐ必要があります。
そのため、たった一人のために言葉を生み出すことに気を付けていると著者は主張してます。そうすると伝えるべき相手の顔が具体的になり、真実味をもって感じることができるようになります。「この人だけは伝えたい」という言葉で言葉を紡ぎます。それが多くの人の心に響く言葉を生み出す第一歩です。
動詞にこだわる <文章に躍動感を持たせる>
動詞には意志が宿る。
一例を示します。意味を1語で表現できるだけでなく、文脈に力強さが加わります。
原文:私はこの道を全速力で走った
⇒私はこの道を疾走した/ひた走った/かっ飛ばした
実際に文章を書く時には、動詞の候補を挙げて並べてみると、自分が伝えようとしていることにしっくりする言葉が見つかるようになります。この繰り返しが自分の言葉の解像度を上げるようにもなるのです。
まとめ
ここまで、言語化能力を高める=言葉に関するスキルを高めることとだと考えていましたが、本書を通じ、自分の気持ちと向き合い、「内なる言葉に目を向ける」必要があると学ぶことができました。
日々内なる言葉に耳を傾け、メモとして積み重ねることで、自分が大切にしている価値観が浮き彫りにします。内なる言葉の解像度が高まり、選ぶ言葉がかわり、外に向かう言葉も厚みが生まれるのです。
以下PRです。
コメント